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   Introduction
加藤研究室ではヘルスケア施設を中心対象として、建築の計画・設計・運営について、研究と実践を行っています。

環境から影響を受ける人間の行動や心理に基づく建物計画（UD・WF）、建物を総合的に管理・活用するといった経営に基づく計画（FM）を主な研究的アプローチとしています。 対象は病院や医療福祉施設・大学キャンパスや教育施設・集合住宅などの大規模で公共性の高い建築であり、その研究手法は、行動調査などのフィールドワークやコンピュータによるシミュレーションの みならず、実際のプロジェクトへの参画など、実践的研究にも及びます。また、国際的研究も視野に入れており、海外におけるプロジェクトにも参加しています。



研究種別による分類

♢ 医療福祉施設の計画・設計・運営

医療福祉施設は大きな変革の時期にある。医療施設は、今後一層の機能性を求められる一方で、病室等では生活の場としての質も求められる。こうした背景から「病院の支援的デザインの導入」や「院内経路のわかりやすさ」「交流を促進する病室環境」に関する研究を進めている。 福祉施設でも、より一層の生活の場としての質が求められるなか、個人の生活を重視した「ユニットケア型高齢者施設の計画・運営」や「多世代が混ざって暮らすケア付居住計画」の研究を進めている。 　　　

Keyword
病院、支援的デザイン、動線計画、個室的多床室、ユニットケア施設、ケア付居住

主要論文
  • KATO, Akikazu, How Can Robots Help Wayfinding in Healthcare Facilities?, 21st Congress of International Federation of Hospital Engineering (IFHE), Tokyo Japan, 2010.11
  • Kato, A., World Workplace in Health-care Facility, World Workplace Japan, Yokohama, 2003.03
  • 毛利志保, 井上由起子, 谷口元, 小規模生活単位型特別養護老人ホームにおけるケア体制を踏まえた空間特性に関する研究, 日本建築学会計画系論文集, 第572号, pp.41-47, 2003
  • 毛利志保, 谷口元, 家庭的という視点からみた個室環境のあり方に関する考察, 高齢者居住施設における住宅的な環境整備に関する研究, 日本建築学会計画系論文集, 第552号, pp.109-115, 2002
  • 加藤彰一, ＦＭ戦略としてみた日帰り手術センターの計画と運営, 日本ファシリティマネジメント協会第５回ＦＭ国際大会梗概集, pp.49-53, 2001.11


♢ 大学キャンパスの計画・設計・運営

学生・教員の行動や教育・研究の方針と、キャンパス計画の対応関係に注目して、キャンパス各所の計画運営に関する研究を行っている。居場所確保の視点からみた「キャンパス外部空間や学生食堂の計画」や、特に「問題解決型学習に適した図書館および教育環境の計画運営」は、講義運営側との協働により実践を進めながら学内のラーニングコモンズ計画(右図)に反映している。 　　　

Keyword
コモンスペース、学生食堂、図書館、ラーニングコモンズ、PBL（problem based learning）、place making

主要論文
  • Kato, Akikazu, Khasawneh, Fahed A., Environmental Behavior Analysis of Campus Dining Facilities, Facility Planning Design and Management of Common Place in University Campus, edra 40, Environmental Design Research Association, Kansas City, 2009
  • Place, Facility Management Research on Campus Planning and Design, 日本建築学会計画系論文集 Vol.73 No.631 pp.1869-1874, 2008


♢ オフィスの計画・設計・運営

業務特性の変化に基づいたオフィスの計画研究を行っている。特に「庁舎における業務特性からみたオフィス計画」など「ワークスタイル分析に基づく計画」のあり方を中心とし、生産性確保の視点については、大学キャンパスにおける教育環境計画との共通点も多い。図はJRタワーズの某オフィスにおける動線調査を示す。 　　　

Keyword
オルタナティブオフィシング、ノンテリトリアルオフィス、庁舎建築、コミュニケーション

主要論文
  • ロルピータ, 加藤彰一, 恒川和久, A study on the application of current and anticipated work style diversity, Work style directional change model for predictive facility management, 日本建築学会計画系論文集, 594号, pp.33-38, 2005


計画技術による分類

♢ ファシリティマネジメント（FM）

ＦＭとは、激しく変化する社会経済状況のなか建物を活用する戦略として、計画・設計・（建設）・運用までをデータに基づいて実施することである。 研究室では、オフィス・病院・大学キャンパスをワークプレースという概念として捉え、ＰＯＥ法（使用開始後評価法）等を用いて、研究を行っている。施設性能評価については、諸外国の研究者と比較研究を進めている。 　　　

Keyword
環境行動、建物性能評価、POE

主要論文
  • ロルピータ, 加藤彰一, 恒川和久, A Comparative Study on Building Performance Evaluation Methodology, 日本建築学会計画系論文集, No.589, pp.41-46, 2005.03 Prieser, Wolfgang F.E., ed., Assessing Building Performance, Butterworth-Heinemann, 2005


♢ ユニバーサルデザイン（UD）

全ての人々が円滑・快適に利用できる都市や建築の計画がＵＤの目的である。物理的デザインだけでなく、運営においても円滑に利用できるためのデザインについて研究している 「中部国際空港研究会」等の活動を通し障害を持つ人たちから学ぶ傍ら「多世代混住型コレクティブハウス」のプロジェクトを通じ、建築計画・運営の両側面からコモン形成に関する研究を進めている。。 　　　

Keyword
ユニバーサルデザイン、バリアフリー、協同居住、コレクティブハウジング

主要論文
  • 森崎康信, 原利明, 加藤彰一, 谷口元, 山田昭義, 水谷真, Introduction of Universal Design into Chubu International Airport Terminal Building, Participation of User Representatives (中部国際空港旅客ターミナルビルへのユニバーサルデザイン導入　その１．利用者代表の参画), The 2nd International Conference for Universal Design in KYOTO 2006 Proceedings, International Association for Universal Design, 第2回国際ユニヴァーサルデザイン会議2006 in京都論文集, 国際ユニヴァーサルデザイン協議会, pp.333-343, ISBN978-4-9903720-0-2, 2007.10.31


♢ ウェイファインディング（WF）

都市や建築のわかりやすさは人の移動能力に強く関連しており、例えば車イス利用者には段差等への配慮が必要となる。そこでＷＦの視点から、「中心市街地を対象としたインターネット上の案内支援システム」や大規模で複雑な「総合病院におけるスタンドアローン型の案内支援システム」の開発研究を進めている。右図は、案内支援システムのメインメニューと案内画面を示す。 　　　

Keyword
ウェイファインディング、CAD、VR（仮想現実）、AR（拡張現実）

主要論文
  • 加藤彰一, 谷口元, 山田昭義, 水谷真, 原利明, 森崎康宣, What impact did the Universal Design Approach bring about to the Facility Management of Terminal Building of Chubu International Airport? (中部国際空港旅客ターミナルビルのファシリティマネジメントにおけるユニバーサルデザイン研究がもたらした効果), The 2nd International Conference for Universal Design in KYOTO 2006 Proceedings, International Association for Universal Design, 第2回国際ユニヴァーサルデザイン会議2006 in京都論文集, 国際ユニヴァーサルデザイン協議会, pp. 351-358, ISBN978-4-9903720-0-2, 2007.10.311

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